USCPAの転職は科目合格でも大丈夫？活かせる強みで転職成功

アメリカ証券市場に上場する企業は、US-GAAP（米国会計基準）に準拠した財務諸表を公開することが義務づけられており、会計・財務の部門にはUSCPA有資格者の存在が不可欠です。

また、IFRS（国際会計基準）との統合化が進むUS-GAAPの知識を、国際会計への対応に活かせます。

これらの専門知識やスキルを活かして、グローバル展開する企業や事業部門でのキャリアにシフトすることができます。

＜USCPAの資格を活かせる転職先の例＞
・外資系法人の会計・財務部門
・外資系法人を顧客に持つ監査法人
・海外の事業部門をもつ企業
・海外の現地法人をもつ企業

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USCPA の試験範囲は、会計以外の法務、税務、経済などを含む、広範なものです。

そして、当然ですが、試験はすべて英語で行われますので、ビジネスレベルの英語力が前提となります。
そのため、USCPA取得者は、グローバルで通用する語学力とビジネススキルを備えた人材と評価されます。

日本国内ではUSCPAは付加価値的な位置づけに留まりますが、自分の強みである実務経験を組み合わせることで、USCPAの科目合格でも未経験分野への挑戦やキャリアアップが可能になります。

USCPAの資格取得後にポテンシャルとして評価されるためには、会計や財務における実務経験の裏付けは重要です。

強みの棚卸ができたら、それを伝えるための「文章化」が必要になります。
どれだけ話が得意でも、書類審査を通過しないと面接には進めません。
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USCPAは4科目で構成されます。

科目別に合否判定され、一度の試験ですべてに合格する必要はありません。
科目単体の合格でも、その分野の専門知識があると評価され、転職時に有利な材料となる場合があります。

FAR（財務会計）は、米国会計基準の企業会計の概念と国際会計基準（IFRS）の特徴、米国会計基準との差異を中心とした科目です。

政府会計、非営利組織会計も含まれますが、転職先としてはやはり、企業会計を活かせる事業会社や事業会社に対するサービスを提供する仕事が中心になるでしょう。

財務会計の仕事は、株主・債権者・投資家・取引先などの外部の利害関係者に対し、財務諸表などを通じて業績を明示することが主な役割です。自社の経営成績を示し、利害を調整する役割を果たします。

外資系法人で資金調達や資産運用に携わる財務部門、IR部門、IPO準備などの業務で、そのスキルを活かすことができます。

BEC（企業経営環境・経営概念）は、財務管理（工業簿記、管理会計、原価計算、予算統制）の分野と経済学、企業統治、ITが対象となります。
BECを理解していると、企業の投資や経営改善に関する論理的なアドバイスができるようになります。

外資系法人や海外拠点をもつ企業への経営コンサルティングやIPO支援を行うコンサルティングファーム、証券会社や銀行などの金融機関、投資会社などで活かすことができます。

FARが主に外部に情報発信する役割であるのに対し、BEC合格で得た知識を活かせるのは、経営層に対するアドバイザリーやコンサルティングなど、企業内でのサービスが中心です。

AUD（監査論）は、アメリカにおける監査・証明業務と、会計士としての責任に関する内容であり、監査の考え方や会計士としてあるべき姿など、普遍的な概念や決まりごとが中心になっています。

当然、AUD合格を通して得られる知識を活かせるのは、米国会計基準に基づく会計を行っている外資系法人への監査業務や、外資系法人とのM&Aで必要になるデューデリジェンスなどがあります。

転職先としては、外資系法人をクライアントにもつ大手監査法人、M&Aを仲介するコンサルティグファームや投資会社、M&Aに積極的な事業会社などが考えられます。

REG（商法・税法）を通じて得られるのは、日本でいうところの所得税法や法人税法、商法など、アメリカの税法とビジネス法です。

つまり、アメリカで事業を行い、納税する場合に必要とされる知識ということになります。

アメリカ国内で事業を展開している、生産拠点を保有している企業などは転職先の候補に挙がります。

加えて、アメリカで事業を行おうとする企業や海外進出の支援コンサルティングなどの会社、監査法人などで、そのスキルを活かすことができるでしょう。

日本の公認会計士資格より取りやすいという意見もありますが、USCPAが難関資格であることは事実です。
米国会計、税務、法務、経済、ITなど、広範囲に勉強する必要があり、仕事と試験準備を両立させるのは大変なことです。

現在の職場が資格取得に取り組む従業員への配慮や支援があればよいですが、職場の理解が得られないと厳しい状況になることが想定できます。そうした場合に、試験準備のために転職するという方法もあります。

下記のような企業では、試験に取り組みやすい環境を期待できます。

・USCPA有資格者を必要とする企業
・資格取得への支援制度が充実した企業
・補佐的な役割から米国会計の実務を経験できる企業

USCPAの資格取得前でも、外資系や海外とやりとりがある事業会社などでは、ビジネスレベルの英語力だけでも、十分に人材としてのニーズがあります。

USCPAで必要といわれるTOEIC600点に相当する英語は、さまざまな業界で評価される強みになります。

ほかの実務経験と組み合わせることで、未経験からの転職でも多くの選択肢がもてると考えてよいでしょう。

USCPAをめざして頑張っていても、繁忙期に仕事が集中して継続的に勉強することが難しくなることがあります。その結果、何度も不合格を繰り返したり、資格取得を断念してしまったりというケースもめずらしくありません。

仕事と試験準備を両立できる環境を整えることが大切です。

科目知識や英語力などの強みを活かした転職を行い、キャリアアップと資格取得をめざせる環境を実現できる可能性もあります。合格のために、万全な環境をつくることは重要な戦略です。

マイナビ会計士ではご希望に応じた転職のお手伝いをいたします。