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大手監査法人と準大手・中堅監査法人の仕事の違いってあるの?
2017/6/23
コラム
大手監査法人と準大手・中堅監査法人の仕事の違いってあるの?

Big4と呼ばれる大手監査法人の4社が上場被監査会社の時価総額ベースの約9割を担当していると言われる監査の世界。
数字を見ると、あずさ、新日本、トーマツ、PwCあらたの大手監査法人が圧倒的に強いということがよくわかりますが、実際のところ、「大手監査法人」と「準大手監査法人」「中小監査法人」の間には仕事の内容に違いはあるのでしょうか?
気になったので、調べてみました!

東芝が監査法人を大手から準大手へ変更検討も…

4月下旬、東芝が監査法人の変更を検討しているというニュースが流れました。
現時点で東芝の会計・監査を担当しているのはBig4の一角を担うPwCあらた。ちなみに、2016年3月期まではこちらもBig4の新日本が担当し、その後任としてPwCあらたに引き継ぐという流れがありました。
引き継いで間もないうちに、また監査法人の変更を検討していたのはなぜなのでしょうか?
その理由は、東芝とPwCあらたの意見の相違にあると言われています。

両者は過去の米原子力会社の会計処理などで合意が得られず、2016年4~12月期決算は異例の「監査意見不表明」となっていました。
この場合、東芝は東京証券取引所の上場廃止基準に抵触することになるため、東証が経緯や理由を審査することになります。 審査が不合格になると、東芝は「上場廃止」へと追い込まれます。
それを避けるため、東芝は適正意見の獲得をめざして、監査法人の変更を検討しているというわけです。
4月末時点で次の候補として挙がった名前は、Big4の他の2社ではなく、準大手監査法人である「太陽有限責任監査法人」でした。
じつは、トーマツとあずさは過去に東芝との取引があるため利益相反の観点があるため、「Big4で担当できるところはない」という背景があります。
現在は、PwCあらた監査法人から変更しない方針に固まりつつあるようですが、今後の動向にも注目が集まっています。

大手と準大手の違いとは?

金融庁がまとめた「監査事務所の概況(平成28年版モニタリングレポート)」によると、

法人規模 社数
大手監査法人 4社
準大手監査法人 6社
中小監査法人 23社
合 計 33社

上記が国際的ネットワークに所属している国内の監査法人の状況です。準大手監査法人は、仰星監査法人、京都監査法人、三優監査法人、太陽有限責任監査法人、東陽監査法人、優成監査法人の6社です。
大手と準大手の仕事の違いを語るうえでキーワードになるのは「分業」です。
上記の資料によると、大手監査法人の定義は「上場企業を概ね 100 社以上監査し、かつ常勤の監査実施者が 1,000 名以上の監査法人」となっていることからも、社員の人数が多く、仕事も多岐にわたることがわかります。
ちなみに、準大手監査法人と中小監査事務所の定義は以下の通りです。

準大手:大手監査法人以外で、比較的多数の上場会社を被監査会社としている監査法人
中小:中小監査法人(大手監査法人及び準大手監査法人以外の監査法人)並びに共同事務所及び個人事務所
規模の大きな大手監査法人は1人で幅広く業務をこなすのではなく、分業制が敷かれていることが一般的です。簡単に言えば、税務コンプライアンスのチーム、M&A関連のコンサルティングチームとチーム分けされていて、専門能力を磨くことになります。
専門性を磨いてスペシャリストになるためには最善の道かもしれませんが、描こうとするキャリアパスによっては大手よりも準大手または中小で働いたほうが力になるという場合もあります。次節で詳しく説明します。

<ココまでのまとめ>

・大手監査法人は100社以上を監査し、1,000名以上のスタッフがいる大企業。
・大手と準大手・中小の違いは「分業」にある。

独立を考える人は準大手・中小のほうが有利?

結論から書くと、独立をめざしている会計士は準大手や中小で働くほうが有利と言われることがあります。
その理由は、準大手や中小は会社によりますが分業されていない場合があるため、大手監査法人では携わることのない“細かい仕事”も経験することになるからです。
独立した場合は、一部だけのスペシャリストである能力も必要ですが、全体の流れを把握していることも大切な要素になります。

大手では、部署変更にならない限り、自分の部署以外の仕事を経験することはほとんどないでしょう。
また、クライアントとも部長クラスの担当者とやりとりすることはあっても、相手は大企業の場合がほとんどなので、社長と直接話すということは皆無です。

じつはこの「経営者と直接仕事をする経験」が独立をするうえで、大きなパワーになると考える人も少なくありません。
営者は何を悩んでいるのか、資金繰りの方法、スタッフとの向き合い方などを直接知り、学ぶことができるからです。
つまり、キャリアパスを事前に考えてから転職をしないと、いくらBig4と呼ばれる待遇のよい監査法人に就職しても、「理想のキャリアを描くうえでは遠回りだった……」ということにもなりかねません。
そんなことにならないようにキャリアの設計図を考えるようにしましょう。自分1人で難しい場合は、転職エージェントに相談してみる手もありますよ。

<ココまでのまとめ>

・大手監査法人での仕事スタイルが独立には遠回りになる場合もある。
・転職を考える際は、事前にキャリアパスを描き、逆算して行動する。

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