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深刻化する「会計士不足」。今、監査法人に求められる人材は?
2017/2/24
コラム
深刻化する「会計士不足」。今、監査法人に求められる人材は?

数年前までは「会計士浪人」という言葉が会計業界でささやかれていました。これは文字通り、公認会計士試験に合格しても、監査法人や会計士事務所に就職できず、“浪人”する人達を指す言葉です。それほど会計業界の採用数は激減していて、就職氷河期の時代でした。――ところが。それは既に過去の話で、今では大きな“揺り戻し”が起こっています。

監査法人の課題は「人材確保」

2016年度の公認会計士試験は、合格者が9年ぶりに増加するというニュースがありました。合格者数は前年比5%増の1,108人。つまり、“会計士の卵”が新たに千人以上も生まれたわけです。そこで気になるのは、この卵たちが孵化して立派な“会計士”になれるのか、ということですよね。会計士の卵が増えると、また以前のように「会計士浪人」も増えるのではないか――。そんな一抹の不安がよぎりましたが、蓋を開けてみると、予想とは全く異なる採用市場動向がありました。今年は大手監査法人を中心に「人材不足」の状態で、増加した会計士試験の合格者を積極的に採用しても、「まだ足りない」というのです。 「会計士浪人」という言葉があったこと自体が幻のように、各監査法人は「人材確保」が喫緊の課題で、日々、積極的な採用活動を行っています。それは具体的なデータにも表れていて、4大監査法人と言われるトーマツ、新日本、PwCあらた、あずさは前年比17%増の1,040人の採用を目標にしています。でも、なぜ今はこんなにも採用が盛んなのでしょうか?理由はいくつか考えられます。

 ・団塊世代の一斉退職により、会計士の数が減ってきている。
 ・IFRS(国際会計基準)を導入する企業が増加し、仕事が増えている。
 ・一連の事件で世間の不正に対する目が厳しく、以前よりも厳格な体制を整えている。

これらはすぐに解決する問題ではないので、今後もしばらくは「売り手市場」が続くとみられています。

会計士の就職・転職市場の動向

会計業界の過去を見てみると、「会計士不足」と「会計士余り」の大きな波があることがわかります。なぜ、会計業界の就職・転職市場は落ち着かず、このようなことが起こるのでしょうか? 過去のトピックスを振り返り、「どんなことが起きたときに波が現れるか」を学んでおくことで、ライバルよりも一手早めの対策を打てるようになるかもしれません。

<採用が積極的な「売り手市場」(会計士不足)になる要因>

・監査法人の業務の拡大
1990年代に会計士の売り手市場が訪れました。このときのきっかけは、公認会計士の仕事が急速に拡大したからといわれています。具体的に言えば、M&Aの資料作成や自治体の決算書作成も担うようになったことで、会計士の採用数が増加しました。現在のIFRSを導入する企業の仕事が増加しているのも同様の流れで、監査法人または会計事務所が業務を拡大するときに売り手市場になる傾向にあります。

・好況(景気回復)
2014年ごろから世間では「景気が上向き始めた」という話が出始めました。この頃から監査法人の採用は積極的になっていることは事実です。景気が回復し、好況になると、監査業務や海外展開の準備など、会計士の仕事は増加します。

会計士の就職・転職市場の動向

会計業界の過去を見てみると、「会計士不足」と「会計士余り」の大きな波があることがわかります。なぜ、会計業界の就職・転職市場は落ち着かず、このようなことが起こるのでしょうか? 過去のトピックスを振り返り、「どんなことが起きたときに波が現れるか」を学んでおくことで、ライバルよりも一手早めの対策を打てるようになるかもしれません。

<採用が消極的な「買い手市場」(会計士余り)になる要因>

・不況
近年、最も「会計士余り」の状態になったのは、2008年の「リーマンショック」の頃でしょう。倒産する企業が増え、通常の会計業務が減少するだけでなく、会計士のIPO業務や新規公開株関連の仕事も激減しました。仕事が減れば、会計士が余るのは必然です。

・採用超過
「会計士不足」だからと大幅に採用を加速化すると、揺り戻しが起こる場合があります。監査法人の仕事は景気に左右されるものなので、好況時に採りすぎると、不況時には仕事が減り、仕事にあぶれる会計士が出てくるというわけです。

監査法人が喉から手が出るほど欲しい人材は?

このような“採用の波”があるということは頭の片隅に置いておきつつ、今は「売り手市場」です。もっと自分を高く売りたいと考えている実力者は、マーケットを分析して、ここ一番で勝負をかけるべきタイミングかもしれません。勝負をするためには、まずは敵を知ること。雇用者である監査法人は、現在、どのような人材を欲しがっているのでしょうか? いくつかの人材像があるようなので、みていきましょう。

①グローバルに活躍できる(またはそれを志す)人材

大手監査法人は国内に限らず、グローバルに事業を展開しています。人口減少などにより、国内の市場がシュリンクしていくことが予想される現在、グローバル化はさらに加速しているといえるでしょう。そう考えると、日本国内だけでなく、世界で活躍したいと考える人材を採用することは自然な流れです。

②過去の価値観にとらわれず、新しいことに挑戦する人材

20年前には想像もできなかったスマートフォンというアイテムを誰もが持っている今の世の中を見てもわかるように、時代とともに人の生活や価値観は変化します。会計業界でも過去には新規業務拡大が起き、採用にも影響を与えてきました。今後、何が起こるかはわかりませんが、挑戦する姿勢をもった人材が求められています。

③一般企業からの出戻り会計士

ちょっと変わったところでは、出戻りの会計士も重宝されるのだとか。戻ってくる会計士は監査法人の良さを理解しているし、雇う側もその人の実力を理解しているので、win-winの関係になることもあるそうです。

会計業界で長く活躍を続けるためには、市場の動向を正確に読み、「今、何が求められているか」を見極めることが不可欠といえます。「売り手市場」の今だからこそ、やるべきことを考えてみるといいかもしれませんね。

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