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高いフィールドで活躍したいなら
徹底解説:公認会計士の書籍出版
2016/01/15
コラム
高いフィールドで活躍したいなら 徹底解説:公認会計士の書籍出版
書籍は名刺がわり。公認会計士も書籍出版でキャリアアップ

ビジネスの世界では、「自著は名刺がわりになる」ということがよく言われています。公認会計士でもそれは同じで、キャリアアップを考える際、自ら執筆した出版物を持っているということは、強力な営業ツールになり得ます。

今回は、公認会計士の「書籍出版」について、どのようにすれば出版できるのか、書籍出版のポイントなどについて、私の経験も含めて紹介していきましょう。

なぜ今、書籍出版なのか

SNSやスマートデバイスなどが発達した結果、いまや誰もが簡単に情報の発信や検索ができる世の中となりました。これは間違いなく良いことです。

しかし同時に、信憑性の疑わしい情報までもが氾濫しているという状況があります。必ずしも良い面ばかりではない、ということが言えそうです。

こうした状況を鑑みるに、紙の書籍が持つ信頼性は、今も昔も健在であると言ってよいでしょう。この信頼性が、執筆者のブランド力や知名度を高め、業界内での立ち位置を明確にし、顧客の信用をも獲得することにつながるのです。

特に公認会計士の場合、その活動領域は、会計・税務のほか、企業監査、コンサルティング、経理、企業の内部統制など、とても幅広いです。自分の得意分野、専門領域をはっきりさせるという意味でも、持っている知識や経験を世の中に出す意義は大きいでしょう。

徹底解説! 書籍出版までの流れ

出版までの流れとして基本的なパターンは、「出版社に企画書を提出→出版社での出版会議にて執筆了承→編集者と打合せ→執筆→脱稿→校正・修正→カバーデザイン→校了・印刷→出版」となります。

時間的には、短くても6か月は見ておかなければなりません。

書籍出版における最大のポイントは、なんといっても企画提案です。企画さえ通れば、あとは担当編集者の指示に従いながら執筆や修正をしていくだけです。

そこで今回は、書籍出版にあたっての「企画提案」のポイントを解説していきます。

書籍出版のポイント:企画提案について

まず、企画内容として必要となる項目は、(1)タイトル(2)対象読者(3)企画趣旨(4)目次(5)類書との差別化ポイント、の5つになります。以下に簡単に解説していきましょう。

(1)タイトル:「誰に、何を、どのように」伝えるかがわかるように

(2)対象読者:対象読者ペルソナ、市場規模など

(3)企画趣旨:対象読者の欲求を満たすため、何をどのように表現していくかを400~800字程度でまとめる

(4)目次:章、節、項と、細かく作成する

(5)類書との差別化ポイント:書籍のみならず、雑誌、WEB媒体、新聞などの類似情報とも差別化もはかる

これらをまとめ、「企画提案書」として出版社に提案することになります。

公認会計士の場合、書けるネタの定番として「財務諸表の読み方」や「財務分析の仕方」などが思い浮かぶと思います。

しかし、こういった内容の書籍は既に巷に溢れており、相当のビッグネームでもない限り、企画としてまず通りません。

では、どのような企画を提案すべきでしょうか?
公認会計士が書籍を執筆する場合の想定読者は、会計税務の専門知識を必要としている人、日々の実務で困っていることを解決したいと考えている人などが挙げられるかと思います。

そういった読者を想定して、その読者の欲求を満たすような企画を考えてみましょう。

ただし、よほどニッチな領域の専門知識がない限り、既に出版されている書籍とテーマが被ってしまうはずです。そういった場合には、対象読者層を変えてみたり、章立てや切り口などの部分で独創性を出したりしてみてください。

企画書を提案できれば、出版社の編集会議で刊行の是非について検討がなされます。無事「刊行可」ということになれば、実際に書籍づくりの行程へ進むことができます。

そうなれば、あとは担当編集者と相談しながら、執筆、修正、デザインの選定などを進めていくだけです。

公認会計士が「書籍を出版する」ということ

順調に出版にこぎつけ、実際に書籍が発売されても、それで終わりという訳ではありません。

書籍出版のそもそもの目的は、自身のブランド力や知名度を高め、業界内での立ち位置を明確にし、顧客の信用をも獲得すること、そして困っている読者の力になる、ということです。

まずは、協力してくれた出版社の方々のためにも、書籍が売れるよう、SNSで宣伝するなどの気配りが必要になります。また、お世話になった方などへの献本も考えましょう。

書籍出版は、企画提案から執筆、編集、印刷、販売まで、非常に長いサイクルの活動といえます。しかし、こうして出版された書籍は、じわじわと認知されるようになっていき、やがて書籍を読んだ読者から、新たな仕事の依頼が舞い込んでくるようになるかもしれません。

公認会計士として、自身の経験から紡ぎ出される知識や情報・データを、書籍として表現することで、より高いフィールドでの活動の可能性が広がるのです。一度検討してみてはいかがでしょうか。

中島 英明(なかじま ひであき)

公認会計士・税理士、1級ファイナンシャルプランニング技能士。
1972年生まれ。立教大学大学院経済学研究科修了。長野税理士法人にて、各種税務申告、 税務コンサルティング、保険商品の提案・相談、セミナー講師業務に従事。その後、新日本有限責任監査法人にて、国内監査部に所属し、上場企業・国内企業・ 公益法人等の会計監査業務・IPO業務を手がける。2014年、神奈川県大和市に『中島英明公認会計士事務所』、長野県長野市に『中島英明アカウンティン グアンドタックス』を開業し、税務・会計・コンサルティング業務を行っている。

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